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ユリシーズ31

ユリシーズ31』は、1981年から1982年にかけて放送された日本とフランスの共同制作によるアニメーション作品です。このアニメは、古代ギリシャの叙事詩「オデュッセイア」を未来の宇宙を舞台にアレンジしたもので、SFと神話が融合した独特の世界観が特徴です。日本では東映動画が制作を担当し、フランスではジャン・シャルル・マリナックとベルナール・デリーのプロデュースにより放送されました。物語の中心となるのは、主人公ユリシーズとその息子テレマクス、そして彼らが旅する宇宙船「オデュッセウス号」の乗組員たちの冒険です。彼らは神々の怒りを買い、元の世界に戻るために数々の試練を乗り越えなければならないという、壮大な冒険を繰り広げます。

このアニメは、フランス語版の原題『Ulysse 31』としても知られ、日本ではNHKで放送されました。欧州での放送も成功し、特にフランスと日本において強い支持を受けました。その成功の理由の一つとして、視覚的な美しさや深遠なテーマに加え、古代ギリシャ神話をSFの設定に落とし込んだ斬新なストーリーテリングが挙げられます。また、音楽面でも高い評価を受けており、オープニングテーマ「Ulysse est de retour(ユリシーズが帰ってきた)」は特に印象的です。『ユリシーズ31』は、単なる子供向けアニメという枠を超え、普遍的な人間の探求心や運命に立ち向かう勇気を描いた作品として、今もなお多くのファンに愛されています。

主な登場人物

ユリシーズ

主人公ユリシーズは、オデュッセウス号の船長であり、知恵と勇気に優れたリーダーです。彼は息子テレマクスと共に宇宙を旅し、神々の怒りにより元の世界に帰る道を探し求めます。ユリシーズは冷静で判断力に優れており、数々の危機を乗り越えていきます。また、彼の人間味あふれる性格は、仲間たちとの絆を深め、彼らを鼓舞する力となります。

テレマクス

テレマクスはユリシーズの息子であり、物語のもう一人の主要なキャラクターです。彼は勇敢で好奇心旺盛な少年であり、父親と共に冒険に参加します。彼の若さゆえの無鉄砲さと未熟さがしばしば問題を引き起こしますが、その純粋さと正義感は物語の進行において重要な役割を果たします。テレマクスの成長も物語の大きなテーマの一つです。

ユミナ

ユミナはテレマクスの親友であり、彼と共に冒険に参加する少女です。彼女は非常に賢く、冷静な性格であり、しばしばユリシーズとテレマクスの危機を救います。ユミナは物語の中で知恵の象徴とも言える存在であり、彼女の洞察力と機転は数々の困難を解決する鍵となります。また、彼女はテレマクスにとって信頼できるパートナーであり、その絆は物語の進行において重要な要素となります。

ヌノ

ヌノはオデュッセウス号の乗組員で、テレマクスの忠実な友人である小型ロボットです。彼はコミカルなキャラクターでありながらも、困難な状況においては機転を利かせ、テクノロジーに関する知識を活かして仲間たちを助けます。ヌノのユーモラスな性格は、物語における緊張感を和らげる役割を果たしつつも、物語全体において重要なサポート役を担っています。

ゼウス

ゼウスは、宇宙を支配する神々の長であり、ユリシーズたちに試練を与える存在です。彼は威厳と力を象徴する存在であり、ユリシーズが挑む最大の障害の一つです。ゼウスは冷酷でありながらも、その行動には神々としての絶対的な論理が存在します。彼は物語を通じて、ユリシーズたちの進路を阻む役割を果たし、最終的な帰還への道を険しくします。



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